かつて、高校で甲子園出場したプロ野球OBは、大会の開催時期を秋に変更することを望む。
「高校生にとって甲子園は特別な舞台なんです。緑色の天然芝と整備された土のグラウンドですごく広く感じる。初めて球場に足を踏み入れた時は、感動で鳥肌が立ちました。甲子園でプレーしたいから、日々のつらい練習にも歯を食いしばって耐えられるという高校生は多いと思います。健康面のリスクを考えたら京セラドーム、東京ドームなどに分けて開催した方が良いのかもしれませんが、甲子園でプレーする感動を一人でも多くの球児に味わってもらいたい。暑さがやわらぐ秋に甲子園で開催するのはダメなんですかね。夏休みと違って授業もあるし現実的でないかもしれないけど、大会日程で14、15日間試合するなら、9月から2カ月かけて毎週の土日だけ開催すればいい。商業的に盛り上がらないというのは大人の理論ですよ。部活動の一環なんだから、健康面に配慮しながら子供たちの思いをかなえられる形で考えるべきだと思います」
日本高校野球連盟(高野連)も暑さ対策の検討を進めている。2018年に開会式や試合途中に給水時間を設け、20年の交流試合から黒色限定だったスパイクについて、熱を吸収しにくい白色を認めた。21年から大会期間中の休養日を1日増やして計3日に。朝と夕方に分けて試合を行う2部制についても議論を行っていたが、観客を入れ替える時間を確保できないことなどを理由に今夏は導入を見送った。