「現在、総務省出身の知事が10人います。官僚OBを合わせれば半数近い知事を霞が関がおさえている。以前から、全国知事会は総務省傘下のような感じでしたが、地方分権が叫ばれるなかで、あからさまだとまずいじゃないですか」
またある県知事は、
「(内部文書の)報道があってから、総務省との打ち合わせや読後破棄の資料があったのか独自で調べたら悲しいかな、あったとのこと。全国知事会は国とでも戦うことを標榜している組織。総務省に取り込まれて言いなりとは情けない。こういうのを“猿芝居”というのです」
と憮然とした表情だった。
■東京、大阪の「封じ込め作戦です」
前出の総務省OBは、
「小池知事や吉村知事のような発信力のある知事が何か言い出すと、総務省は何もできなくなるので封じ込め作戦です。『全国知事会を官僚OBが支配』と騒がれると難儀だから。世論に訴えられると官僚では勝てない。霞が関独特の発想と根回しですね」。
小池知事は、7月28日の都庁での記者会見で、25、26日に山梨県で開かれた全国知事会の話も触れた。偏在是正について意見を述べたと言い、
「偏在是正措置と言われるものは、地方税を召し上げる不合理なものであります」
との考えを示した。
知事会では、島根県知事から「さらなる偏在是正が必要だ」といった意見が出たとし、その発言に反論したという。
「調整後の人口1人当たりの一般財源額で見ると、都はむしろ全国平均以下の水準になっているのです。都としては、是正すべき偏在などはないどころか、むしろ逆偏在はありますよということを発言させていただきました。自然災害や人口減少、国際競争力の低下など様々な課題に直面をしているなかで、地方同士で限られたパイの奪い合いを議論しているのは、いかがなものか」