日本の製薬メーカー・エーザイなどが開発したアルツハイマー病の新しい治療薬「レカネマブ」。7月にアメリカのFDA(食品医薬品局)から正式に承認され、厚生労働省の専門家部会も21日、レカネマブの製造販売承認を了承した。近く正式に承認される見通しだ。アルツハイマー病の患者は国内に約80万人。今後さらに増えていくと見込まれており、患者や家族はより効果の高い治療薬を待ち望んでいる。このレカネマブは、今までの薬と何が違うのか。課題や問題点はないのか。
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「認知症の新しい薬はどんなものなのか。知りたい」
こう話すのは、都内に住む40代の会社員男性。実家がある宮崎県には早期のアルツハイマー病をわずらう母親がいる。
「母はまだ元気で、病気もそれほど進んでいない。早く承認されて使えるようになれば、母も使えるのではないか」
と期待する。
アルツハイマー病の患者会である公益社団法人「認知症の人と家族の会」(代表理事・鎌田松代さん)は米国でのレカネマブの承認について、
「アルツハイマー病治療への道が大きく開かれ、明るい兆しが見えたと大変喜んでいます。治療薬を待ち望んできた私たちにとって、アメリカでの迅速承認から半年での正式承認は、大変な朗報です」
「そして、日本においても一日も早くこの新薬が承認され、対象となる人達が、身近な医療機関で適切な価格で安全に使える薬となることを望みます」
と、ウェブサイトでコメントを寄せた。