ただ、彼らが育ったタイミングで主力たちが流出し、“戦えるタイミング”を逃してしまう危険性もはらむのが中日。左右のエース格である柳、小笠原慎之介や絶対的な守護神のライデル・マルティネスは将来的にチームを去る可能性が指摘されている。
「今後も計画的に動くべき。特に投手陣は人材難になる可能性がある。左腕エースの小笠原慎之介はメジャー志向が強い。守護神のマルティネスも2024年までの契約。今から動いて補強と育成をしておかないとマズイ状態になる」(中日OB)
世代交代の時期にも差し掛かっているだけに、中堅、ベテラン、外国人の取捨選択も非常に重要となってくる。
「昨年オフには左腕の松葉貴大、野手の高橋周平、加藤翔平がFA権を行使せず契約を結んだ。堂上直倫も今季限りで2年契約が終わる。こういった選手に対してしっかりとした判断と仕分けを行い、将来的にプラスになるチーム編成が必要。必要ならば思い切った血の入れ替えを行う覚悟を持って欲しい」(中日担当記者)
世間で言われるように中日球団は決して裕福ではない。ソフトバンクのように、補強や育成に莫大な資金投入をすることは考えられない。資金力に限りがあるのであれば、知恵と行動力を駆使するやり方もあるはずだ。
「ブレない編成方針が必要。アマチュア、プロ担当の各スカウトの手腕も重要。磨けば光る原石、くすぶっているが活躍の可能性を秘めた選手は必ず存在する。ドラフトでは将来性抜群の好素材、そして宇佐見や細川のような隠れた実力者を見つけ出すこと。まだまだやれることはある」(中日OB)
ここから数年間は中日がさらなる暗黒時代に突入しないためにも非常に重要になってくる。昨年就任した立浪和義監督は、将来を見据えどんなチーム作りをするのか。今季も最下位と厳しい戦いが続く中で選手の起用法など一つ一つの動きが大きな意味を持ちそうだ。