「僕はもう唯一の解決策は、はっきりしていると思っていて、結局、高齢者の集団自決、集団切腹みたいなのしかないんじゃないかなと。やっぱり人間って引き際が重要だと思うんですよ。別に物理的な切腹だけじゃなくてもよくて、社会的な切腹でもよくて。過去の功績を使って居座り続ける人が、いろいろなレイヤー(層)で多すぎるっていうのがこの国の問題」
同紙はこれを「彼の極端な主張は、高齢化による経済の停滞に不満を持つ何十万もの若者のフォロワーを獲得している」と評した。
私も同番組の配信に目を通した。呆れた。いや、愕然とした。そして憤りで目の前が真っ暗になった。
ここでも「集団自決」が、笑いを伴って語られていたからだ。スタジオの誰ひとりとして、発言を批判したものはいない。さらに言えば、この発言に笑いながら強く頷いていたのが、ひろゆき氏である。
のちに成田氏は、自分の発言は世代交代を表すメタファーだったと弁明しているが、それを〈比喩で言った話が本気で言ったかのように伝言ゲームが始まってる状況〉とネット上で擁護したのも、ひろゆき氏である。
彼らがどこまで本気なのかはわからない。少子高齢社会における福祉の限界を示唆した物言いでもあるのだろう。だが、たとえメタファーであったとしても、軽々しく用いられてよい言葉では決してないはずだ。高齢者を不用な存在だと思わせるばかりか、「集団自決」の内実を誤った方向に導く。