その発表があった3月18日、前年の年末に暴落したレノバ社の株は急騰した。
もう一つ、秋本氏と非常に近い政治家と言えば、菅義偉前首相がいることも指摘しておかなければならない。秋本氏はバリバリの菅支持だ。菅氏が「政界の親父」で、河野氏が「政界の兄貴」と自ら語ったと報じられている。菅氏のほうが河野氏よりも近いかもしれない。しかし、マスコミもネットも秋本氏が河野氏に近いとは報じても、菅氏の名前は一切出さない。
さらに、より構造的な問題も指摘しておきたい。再エネ産業はこれから巨大な産業として発展する。それが今誰にでも予測できるようになった。ということは、自民党の利権に聡い議員ならそこから生まれる利権のおこぼれに与かりたいと考えるようになる。
それをよく表しているのが、「第二再エネ議連」の誕生だ。
自民党の第一再エネ議連(柴山昌彦会長、秋本事務局長)の正式名称は「再生可能エネルギー普及拡大議員連盟」。河野太郎氏はこの議連の顧問をしている。再エネ利権などまだ夢のまた夢という時代から存在している議連だ。
一方、萩生田経産相の年初の指針見直し検討表明からわずか1カ月後の22年2月16日に第二議連、「国産再エネに関する次世代型技術の社会実装加速化議員連盟」が立ち上がった。発起人には、麻生太郎副総裁の他、岸田文雄首相、鈴木俊一財務相、森山裕選挙対策委員長ら “大物”政治家が名を連ねている。会長は森山氏だ。
これまで再エネに後ろ向きだった自民党内でも、いよいよ大型案件が動き出すというタイミングが来たので、これは利権になるぞということで、従来型の利益誘導装置が立ち上がったと見ればわかりやすい。
遅くともこの時期以降、秋本議員のような小物議員ではなく、大きな力を持つ議員が業界の意向に沿って様々な動きを開始していた可能性が非常に高いとみるべきだろう。
秋本氏の収賄容疑についての真相解明はもちろんしっかりやらなければならない。