秋本真利衆議院議員が「日本風力開発」から3000万円を受領したとされる事件。
【写真】古賀氏が「彼が質問したくらいで政策は変わらない」と評した議員はコチラ
洋上風力発電の入札における事業者選定のための指針の変更について、日本風力側に有利な内容になるように秋本議員が国会などで質問し、その見返りに3000万円を受け取ったという容疑だ。
洋上風力発電については、再エネ海域利用法という法律がある。簡単に言うと、政府が洋上風力発電の開発に適した海域を指定して、そこでの風力発電の開発について公募を行い、長期安定的でかつコスト競争力のある電源を開発できる最も優れた事業者を選定するという仕組みになっている。
この仕組みが導入されて最初の公募が2020年に行われ、その選定結果発表が21年12月24日に行われた。
結果は、対象となった3つの海域(秋田県能代市・三種町・男鹿市沖、同県由利本荘市沖、千葉県銚子市沖)全てについて、三菱商事などによる一つの企業連合が落札した。しかも、提示されたのは11.99〜16.49円/kWhという激安価格。他のグループは全く太刀打ちできない水準だった。
この発表を受けて、秋田県由利本荘市沖の案件で落札が有力視されていたレノバ社の株がストップ安を続けた後、同月29日に一時30%超安の大暴落になった。その衝撃の大きさがどれほどだったかがわかる。
その直後から、これでは他のグループには参入機会がなくなるという批判の声が業界から上がり始めた。
報道からわかるのは、そうした声に応える形で、22年10月27日に今回問題となった入札評価のための指針の改訂が行われたということだ。事業者の提案を評価する際に、価格差の影響を相対的に小さくすることと、一者総取りを防ぐために、各回の入札ごとに落札規模の上限を設けることなどの改訂が行われた。
そして、この改訂の過程で、秋本議員が国会質問などで影響力を行使し、その対価として業者側から金銭が渡されたという疑いで捜査が行われているという。