日本大学アメフト部の部員が大麻を所持していたとして警視庁に逮捕されたことを受け、8月8日に開かれた大学側の記者会見。林真理子理事長、酒井健夫学長、沢田康広副学長が出席し、それまでの経緯などについて語った。冒頭、3人は謝罪したものの、その後の質疑応答では憤りを口にする場面も目立った。今回の会見を、大学ジャーナリストの石渡嶺司さんはどう見たのか聞いた。
「非常に危ない、逆ギレ会見でした」
石渡さんは最初の印象についてそう言い、
「大手の大学として、あの会見はありえません。危機管理として大丈夫でしょうか」
と語った。
林理事長は冒頭、一連の事件を受けて「大変に遺憾であり、理事長として深く受け止めている。心から深くおわび申し上げる」と頭を下げた。
会見によると、6月30日に警察から「部員寮で大麻使用の可能性がある」と連絡を受け、同日に沢田副学長らが寮の調査を実施。当時は薬物の発見に至らなかったが、再度警察から7月6日に指摘があり、同日調査と聞き取りを行った。結果、寮内から植物片などが確認された。ただ、見つかったものを日大側から警察に渡したのは20日で、約2週間の空白の期間がある。
保管していたなら大麻所持の疑いも?
なぜすぐ渡さなかったのか。その質問に調査に立ち会った沢田副学長は、
「大麻だとわからなかった。ただ疑惑があるから、大麻かもしれないと思った」
と述べ、
「(警察に)本人に自首させて欲しいということを言われ、自分もそう考えていた。まだ自首させる時期ではないと判断した」
などと説明した。
この対応について、林理事長は「対応は適切だった」と評価した。
ところが石渡さんは「絶対に適切ではない」と指摘する。
「違法性が高い薬物といった認識があったんだから、その筋の話は通じないです。学生を信じていたからといって約2週間、警察への報告を送らせていいことにはなりません。しかも沢田副学長は元検事。一方的な理由で、学校側が大麻を所持していい理由にはならないです。『パケ』などの専門用語が飛び出ているのに、違法性を認知できなかったとは到底思えない。副学長の管理責任が問われるのでは。さらに、所持をしていたことになるから、大麻取締法に問われる可能性もあるのではないでしょうか」