
また、約2週間の空白があったことについて、林理事が「隠蔽と言われることは大変遺憾」と語ったことについて石渡さんは、
「0点に近いひどい答え。火に油を注いでいるだけです」
と指摘した。
「事案の発生から会見まで時間がかかっているし、その理由が『土日を挟んでいるから』。感情的になっているように捉えられました。日本大学を立て直していきます、とかそういった言葉が聞けると思ったら、『遺憾』の連発や高圧的な態度ばかり。林理事長は小説家で、メディア対応にも慣れているはずなのに。歴史に残る残念な会見でした。理事長という立場をわきまえて、真摯に謝罪をすべきでした」
「大麻吸った」案件は林理事長に報告なし
会見で林理事長らは、2022年にアメフト部員から指導陣に「大麻を吸った」という申告があったことを明らかにした。
22年10月の保護者会で、保護者から大麻の使用についての調査依頼があり、翌日に大学側は、部員121人に聞き取りの調査をした。11月下旬に部員から「大麻を吸った」との申告があり、警察に相談。物的証拠がないことから、学生への厳重注意となったものの、この事態を林理事長には報告がされていなかったことも明らかになった。
こうした点について、記者からは「ガバナンスに問題があるのでは」といった質問があった。林理事長は、スポーツ関連の活動などについては学長や副学長が対応する役割でもあり、任せていたといった回答だった。
石渡さんは会見全体をこう評価した。
「林理事長の改革路線を支持していた人も、今回の会見を受けて印象ががらりと変わったのではないでしょうか。私はガッカリしたうちの一人です」
(AERA dot.編集部・板垣聡旨)