「今回のドラマ主演は若村にとって、人生最大の転機となりました。同じ朝ドラ出身の大女優・鈴木京香のために脚本が書き下ろしされたと言われているドラマ『この素晴らしき世界』で、当の鈴木がクランクイン当日に体調不良を訴え、急遽降板になったのです。同年代の女優は数多くいますが、ある程度以上の知名度と実力がありながらこのタイミングでスケジュールが抑えられる代役候補となるとなかなかいません。そこで白羽の矢が立ったのが若村さんでした。平凡な主婦と大女優の二役をしっかり演じ分ける若村にSNSでは好意的な評価が多い。業界内での評価も上々で、今後地上波連ドラのオファーは増えていくでしょうね」(民放ドラマ制作スタッフ)

テレ東ドラマで若年層にも浸透

 ただし、ドラマ自体の視聴率は初回の世帯視聴率5.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)を最高に、4%前後をうろうろ。苦戦しているようにも見えるが……。

「“木10”枠は目黒蓮の大ブレイクのきっかけとなった『Silent』やセックスレスに悩む二組の夫婦を描いて話題となった『あなたがしてくれなくても』など、注目作の続く枠です。毎回数字がいいわけではなく、4~5%台の作品も多い。過去にも2021年に『推しの王子様』で、適応障害で活動休止を発表した主演の深田恭子に代わり、比嘉愛未が代役を務めたケースがあります。このとき平均世帯視聴率は4.9%と高視聴率とはいきませんでしたが、その後、比嘉はフジテレビを救った女優として同局で重宝されるようになりました。今回の若村も、数字はともあれフジに大きな恩を売ることができた。アラ還に向け、フジを主戦場に羽ばたいていくのではないでしょうか」(同)

「この素晴らしき世界」にNHKのBS時代劇「大富豪同心・参」、テレビ東京系ドラマ24「初恋、ざらり」、そして8月から25年目に突入する「科捜研の女」新シリーズなどなど……今夏のドラマシーンはさながら「若村麻由美祭り」の様相を呈している。とくに、知的障害を持つ主人公を女手一つで育て上げた母親役で出演中の漫画原作ドラマ「初恋~」は、深夜30分ドラマにも関わらずTVerの見逃し配信ドラマランキングで8位に食い込んでおり、お気に入り数は38.8万を超える。難しいテーマを扱いながら、若年層に人気があり、これを機に若村に新たな魅力を見出すファンや関係者が増えていくかもしれない。

 芸能評論家の三杉武氏は若村麻由美についてこう述べる。

「若村さんというとルックスも良く、『無名塾』出身ということで演技力にも定評があり、実力派女優として年配層からも支持の高いイメージです。いわゆる正統派の美人で華もありながら同性からの評価も高く、演技についてはドラマや映画といった映像作品だけでなく、舞台や海外作品の吹き替え、朗読劇などさまざまな分野でその実力を発揮しています。今回の主演ドラマでは複数の役を演じていますが、卓越した演技力で主役も脇役もできますし、シリアスなものからコメディータッチのものまで作品を選ばず対応できる貴重な存在と言えるでしょう。その実力は業界内外で高く評価されていますし、今後もさらに活躍の場を広げていくでしょう」

 中高年女性役や美魔女枠の女優のダークホース的な存在として大きく飛躍するかもしれない。(雛里美和

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