いま、立憲民主党に厳しい視線が注がれている。朝日新聞が2023年7月15~16日に実施した世論調査では、政党支持率は11%。日本維新の会の17%を下回り、野党第1党の座も危ぶまれている。約1年半前に代表に就任した泉健太代表に反発する動きも出てきたなかで、今後の党運営はどうするのか。もっといえば、今の立憲民主党にはどんな存在意義はあるのか。時事YouTuberの「たかまつなな」が泉氏に直球の質問をぶつけた。(対談の様子は、記事最後にリンクがある動画でもご覧いただけます)
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自民党との違いは?
――そもそも立憲民主党は何を理念にした政党なんでしょうか。
党の名前にあるように立憲主義です。法律や憲法は、国民を縛るためにあるのではなく、権力者にきちんと法を守らせるため、ルールを守らせるためにある。僕らは権力者が元気な国をつくるのではなく、国民が元気な国をつくるということで、立憲主義を掲げています。あとは、政治家の2世、3世、経済界や富裕層から議員が出ている自民党に比べると、庶民の党、生活者の党です。人を大事にする、一人一人の多様性を大事にすることを基本とする政党です。
――岸田文雄首相もどちらかというとリベラル寄りですよね。岸田政権が、リベラルな政策をどんどん取り込んでいく中で、自民党政権とのはっきりした違いはどこにあるんでしょうか?
自民党はとてもうまくて、ある意味、主義主張がない政党です。世の中の動きが変わって政権を取るような勢力が入ってくると、その勢力の政策を取ってしまう。最近では子ども政策がそうで、僕らは民主党のころから「チルドレンファースト」で、子ども手当の所得制限はなしと言ってきた。当時はそれが自民党との違いだったんですよね。でも、10年たつと、自民党が「所得制限なし」と言ってくる。すると違いは消えてしまうわけです。
明確な違いということでは、視点が違います。働き方改革にしても経済政策にしても、自民党は基本的にトリクルダウン、上からこぼれ落ちていく政策を取っていますが、下からボトムアップで経済政策を考えているのが立憲民主党です。国家予算が100兆円ぐらいあるときに、自民党の政策は、国の予算全体の中で防衛費が5%だったものを10%にすると。僕らは子育て予算が3~4%だったものを倍にしていくと。優先順位が全然違います。