「わかりません」
という言葉は思考を停止させる。
何よりも、人は、年齢を重ねると、「わかるから楽しい!」と、いうことを忘れてしまう。
子どものころは、あんなに「なぜ?」を連発して、わかろうとしたのに。
わからなかったことがわかったときの、あのワクワク感を再び思い出したい。
だからわたしは、「わからない」という言葉を使わない。
友人と話していると、よく「今の若い子がわからない」などという話になる。
そんなとき、わたしは聞き返す。
「なんでそう思うの?」
若い子の話には意外な発見があるから「わからない」ですませたくない。
たとえば、友人の女性の話。
「先日、部下に『◯◯に食事に行こう』って誘ったら、彼、携帯で調べて『その店、食べログで2.8ですよ』なんて言葉が返ってきたの。なんで、盛り上がっているのに水を差すようなことを言うのよ」
と、怒っていた。
そういえば、そんな話をよく聞く。
「なんでだろう?」
好奇心をもち、まわりの20代に話をきき、その理由を探ってみた。
そしてわかったこと。
いまの20代は、生まれた時から携帯電話もパソコンもある。
比較検討がとっても得意。そして、なんでも比較する。
でも、なぜ、そんなに比較するのだろう。
そう思って探ってみたら、
「だって、その店に行ってから嫌な思いをしたくないじゃないですか」
という話になった。なるほど。
上司は、その店がいいと思っているけれど、行ってみたら、まずいかもしれない。従業員の態度が悪いかもしれない。
行ってから失敗したくないから、先に調べる。
そんな行動パターンが“わかる”と楽しい。