西武の山川穂高
西武の山川穂高
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 2023年夏も半分ほどが過ぎた。AERA dot.では、猛暑の中でも読みたい「上半期で読まれた記事ベスト10」を紹介する。9位は「西武山川穂高は今季限りで退団の可能性…「救いの手を差し伸べる球団」はあるのか」(5月20日配信)だった。(※肩書年齢等は配信時のまま)

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 知人女性への強制わいせつ疑惑が報じられた西武の山川穂高。この報道が出た11日のロッテ戦は「5番・一塁」でフル出場したが、翌12日に登録抹消された。球団は「総合的に判断してコンディション的に抹消」と理由を説明した。

 西武を取材するスポーツ紙記者は肩を落とす。

「疑惑が本当であれば、ファンを裏切る行為で許されることではない。今後の警察の捜査で逮捕ということになると、解雇になるでしょう。また不起訴、被害者女性との間で示談が成立した場合も西武でプレーするのは厳しいのではないか。山川にも言い分はあるかもしれないが、週刊誌の直撃取材で自己弁護とも捉えられる主張をしている。被害に遭った女性のことを考えると、ベラベラ話すべきではなかったし、大きくイメージダウンしてしまった。他球団の主力選手にも女性スキャンダルはあったが、山川は警察が捜査をしている事件ということで意味合いが全く違う。家族思いでファンにも優しい主砲というイメージを大きく裏切り、西武ファンからも怒りの声が出ている。グラウンド上のプレーで失った信用を回復するという問題ではなくなっている」

 昨年、本塁打王と打点王の2冠王を獲得するなど、過去に3度の本塁打を獲得して通算218本塁打をマーク。球を遠くへ飛ばす才能は村上宗隆ヤクルト)、岡本和真巨人)と共に球界屈指だ。今年3月には侍ジャパンに選出され、WBCに出場。世界一の歓喜を味わった。昨オフに球団が4年契約を提示したが、山川は固辞して単年契約を選択。今季中にFA権を取得予定だったことから、他球団への移籍が「既定路線」という見方もあった。1シーズンに40本塁打以上計算打てる和製大砲を獲得できれば、大きなプラスアルファになる。FA権を行使した場合は複数球団の争奪戦が予想されたが、今回の女性トラブルが報じられたことで厳しい状況となった。

「西武は主力選手がFA移籍で流出してきた歴史がある。マネーゲームには参戦しないので、山川がFA宣言すれば他球団に移籍する可能性が高かった。その有力候補とされていたのがソフトバンクです。右の長距離砲不在の状況が続き、山川は補強ポイントにピンポイントで合致する。でも、警察沙汰になった今回の事件が報じられたことで、山川獲得はファンの理解を得られないし、球団のイメージも悪くなる。ソフトバンク以外の球団も獲得に動くことは考えづらい」(スポーツ紙デスク)

 そもそも、FA権を今季中に取得できるのかという問題がある。警察の捜査が大きくかかわってくるが、今年は事実上の「無期限謹慎」で、1軍の舞台でプレーしない可能性もある。西武で来年以降もプレーする未来予想図が描けない中、不起訴となった場合はトレードという選択肢も考え得る。

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