6月下旬に開かれた親会社の西武ホールディングスの定時株主総会では、株主から「解雇というようなことも考えてもいいかと思います」と山川の処遇に言及する声が上がった。ファンの間でも見解は分かれる。株主総会に参加した40代男性は「不起訴となり、山川が自身の行為を反省しているなら復帰への道を検討してもいいと思う。この一件で野球人生を絶つのは酷かなと感じます」と復帰に理解を示す。一方で、西武ファン歴30年という女性は、「起訴、不起訴の問題ではなく、女性に対して報道されたような行動、言動を見聞きすると応援できないです。松井稼頭央新監督の下、西武は若返りを図っている。イメージを一新するためにも山川選手抜きでチーム作りを進めるべきだと思います」と否定的な見方を示す。

 山川に対し、西武ファンから冷ややかな声が少なくないのは、今オフに他球団へFA移籍する可能性が高いとみられていたのも一因として挙げられる。昨年に41本塁打、90打点で2冠王を獲得。オフの契約更改で1億4000万円増の推定年俸2億7000万円でサインした。球団からは4年契約を提示されたが固辞し、1年契約を選んだ。今季中に国内FA権を取得予定だったため、権利を行使すれば複数球団による争奪戦は必至だった。

 「移籍の有力先と目されていたのが、同一リーグのソフトバンクです。一塁を守る右の長距離砲は補強ポイントに合致する。資金力もありますし、同じ沖縄出身で嶺井博希、東浜巨ら気心が知れた選手が多い。セ・リーグの球団も獲得に向けて調査をしていると聞きました。4番打者を獲得できたら得点力で大きなプラスアルファになりますから」(スポーツ紙記者)

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「ウチは獲りにいかないですね」