「長女はしっかり者」などとよく言うが、専門家は、姉妹の生まれた順でどんな性格の傾向があると見ているのだろうか? 心理カウンセラーで「自分中心心理学」を提唱する心理相談研究所オールイズワン代表の石原加受子さんが監修を務めた『心理学でわかる 女子の人間関係・感情辞典』(朝日新聞出版)から、長女・中間子・末っ子・ひとりっ子、それぞれの性格の傾向と姉妹の関係性について紹介する。
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子どもは基本的に親の愛情を独り占めしたいので、姉と妹が親の愛情を取り合うのは当たり前。成長するにしたがって自然と争いは減っていきます。ただ、はたから見てもわかるほど親がどちらか一方を露骨に溺愛すると、愛されないほうは極端に自己肯定感が下がり、大人になっても劣等感を引きずってしまいます。
また、親からだけではなく、周囲の人間から比較されるのも、姉妹の間に溝ができる原因となります。容姿、性格、学校の成績、キャリアなど、他人から比較される機会は少なくないでしょう。
若い姉妹が親と離れて同居している、年の離れた姉が妹の母親代わりを自負しているなど、母娘のような関係になっていて「過干渉」が行われるケースもあります。お互いに「言わなくてもわかるでしょ」という思いがあるために言葉が足りず、姉妹で口論になったりするのも、母娘の場合と同じです。
「姉だから親の介護をしなくてはならない」「妹が姉より先に結婚するのはおかしい」など、姉(妹)は〇〇するべき・べきでないという考え方も姉妹間の確執を生む原因となります。
このような『べき論』はおそらく家族に代々伝わるものか、世間一般の常識とされているものでしょう。自分の価値観とは違うのに無理をして合わせていると「あなたも〇〇しなさいよ」「どうして私ばっかり!」と怒りの矛先が姉や妹に向かいます。
こうしたことを踏まえたうえで、長女・中間子・末っ子・ひとりっ子の性格にはそれぞれ、以下のような傾向が見られます。