日本ハム・清宮幸太郎
日本ハム・清宮幸太郎
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 日本ハム・清宮幸太郎はプロでは“大器晩成”となるのかもしれない。

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 鳴り物入りでのプロ入りから4年目までは苦戦も目立ったが、18本塁打を放った昨季から“モノ”になりそうな気配を漂わせている。同級生で大きく差を広げられたヤクルト村上宗隆の背中も少しずつだが視界に捉え始めている。

 今季はシーズン開幕早々に左脇腹の負傷で戦列を離れたが、6月13日に一軍昇格。ここまで43試合に出場し、打率.284(155打数44安打)、5本塁打、18打点と物足りなさはあるものの、レギュラー選手として周囲を納得させる成績を残している。

「新庄剛志監督は発展途上のチームの可能性を探るため、日替わりでオーダーを変えている。自身の役割がわかりにくく腰を落ち着けてプレーするのが難しいが、清宮は最低限の仕事をこなしている。状況を考えれば及第点と言える」(日本ハムOB)

 キャンプ時には「(一塁は)1試合も譲るつもりはない」と定位置へのこだわりを見せていた。しかし開幕後は一塁手として先発出場していたが、復帰後は1試合を除いては三塁手として先発出場し、実質コンバートが行われた形。不慣れなポジションを必死にこなす中での打撃成績だけに数字以上の価値があるという声もある。

「昨季終盤から打撃の形が目に見える形で良くなり、数字にも現れ始めた。構えた時のグリップの位置、タイミングの取り方も固まりつつある。プロ入り後に失いつつあった自信を取り戻せば、高校球界を沸かせた豪打が再び見られるはず」(日本ハム担当記者)

 早稲田実業時代には高校通算111本塁打を放ち、ドラフトの目玉に。7球団から1位指名を受け日本ハムに入団した。しかし、プロ入り後は時折豪快な打撃を見せることもあったが、継続して結果を残せず。2021年シーズンは一軍での出場がなく、「このまま終わってしまうのか……」という声も多かった。だが、昨季は自己新となる18本塁打を記録するなど新庄監督の下でブレイクの兆しを見せている。

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芽生えてきた自信