【タイプ3】冷房に注意 夏の冷えタイプ

「血」は冷えると固まる性質があり、血管は冷えによって収縮しやすくなります。そのため冬は血行不良を起こしやすのですが、暑い夏も油断は禁物。冷房の効いた部屋に長時間いたり、冷たい飲食が増えたりすることで、身体の中から冷えてしまうことが多いのです。

 夏でも手足を冷たく感じるような場合は、“夏の冷え”と考えて積極的に対処を。過度な冷房に注意し、避けられない場合は長袖を羽織るなどの工夫で身体を冷やさないことが大切です。飲食も冷たいものは控え、常温または温かいものを取るよう心がけましょう。

<気になる症状>
夏でも手足が冷える、冷房が苦手、顔色が白い、むくみ、舌苔が白い

<食の養生>
温性・辛味の食材で冷えを取り除く。
よもぎ、シナモン、カルダモン、しょうが、ねぎ、にんにく、フェンネル、山椒の実、八角、しそ、紅茶、黒糖など

冷えを取り除く食材、しょうが
冷えを取り除く食材、しょうが

【タイプ4】慢性的な血行不良 お血(おけつ)タイプ

 食の不摂生によるドロドロ血、慢性疾患(糖尿病や高血圧、動脈硬化症等)による血管力(しなやかな血管でスムーズに血を巡らせる力)の低下などで「お血(おけつ)」(血行不良)の状態が慢性化していると、夏の暑さや発汗の影響でさらに血流が悪くなる心配も。お血(おけつ)は脳血管疾患を招く要因にもなるので、思い当たる人は積極的な改善を心がけて。

 養生の基本は、血をサラサラにしてスムーズに巡らせること。脂っこい料理や甘いもの、過度な飲酒を控えるなど、食生活を見直して栄養バランスの良い食事を心がけましょう。

<気になる症状>
頭痛、物忘れ、手足のしびれ、胸が苦しくなる、胸痛、顔色の黒ずみ、不整脈、舌の色が暗くお点がある

<食の養生>
黒色・辛味の食材でサラサラ血流に。
玉ねぎ、長ねぎ、らっきょう、ターメリック、黒豆、納豆、黒きくらげ、なす、わかめ、昆布、さんざしなど 

サラサラ血流食材、なす
サラサラ血流食材、なす

■暮らしの養生

● 水分補給は“少量・常温”でこまめに。一度にたくさん飲むと胃の負担になるので気をつけて。
● 食事は“潤いの多い食材”“夏でも温かいもの”を意識して。
● 睡眠を十分に取ることも大切。睡眠不足は気・血の消耗につながります。
● 冷房は適度な使用を。外気温との温度差、冷え過ぎなどは血行不良の要因に。
● 夏でもこまめに入浴を。疲労回復、血行促進につながります。
● 朝晩の涼しい時間に適度な運動習慣を。血流を促し、冷房の冷えを解消します。

朝晩の涼しい時間に適度な運動習慣を
朝晩の涼しい時間に適度な運動習慣を

監修:菅沼 栄先生(中医学講師)

監修:菅沼 栄先生(中医学講師) 1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。 1979年、来日。 1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。 主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)、『入門・実践 温病学』(源草社)など。
監修:菅沼 栄先生(中医学講師) 1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。 1979年、来日。 1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。 主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)、『入門・実践 温病学』(源草社)など。

本記事は、イスクラ産業株式会社が発行する中医学情報誌『チャイナビュー』より、一部改変して転載しました。同誌は日本中医薬研究会の会員店で配布しています。

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