夏の甲子園大会の地方予選もたけなわ。過去の地方大会で起きた珍プレーや珍ハプニングを集めたB級ニュースシリーズ、今回は「えっ、そんなのあり!」と思わず目が点になるような本当にあった珍エピソード3題を紹介する。
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チームの3番打者が初戦からの3試合で11打席連続四死球という大会新記録を達成したのが、2018年の宇都宮南だ。
主将で捕手の津田光輝は、初戦(2回戦)の小山北桜戦では、勝負強い打撃を警戒され、5打席いずれもまともに勝負してもらえなかった。
だが、1年の11月に右肩を痛め、ボールを投げることすらできない時期に、伊東賢治監督から「とにかく我慢だ」と諭された津田は、打ち気にはやるたびにその言葉を思い出し、冷静にボール球を見極める。これが結果的に後続打者のタイムリーを呼び込んで、5対2で勝利した。
3回戦の宇都宮北戦でもなかなかストライクが来なかったが、津田はひたすら「我慢だ」と心に念じつづけ、5打席のいずれも出塁した。その甲斐あって、チャンスを広げたチームは7対1と大勝した。
そして、準々決勝の青藍泰斗戦でも、津田は1回の第1打席で四球を選び、1大会11四死球の大会記録に並ぶと同時に、大会新記録の11打席連続四死球を樹立した。
2打席目は三振に倒れ、記録はストップしたものの、6回無死の3打席目に待望の大会初安打を左前に放った。
7回まで両チーム無得点の好ゲームは、8、9回に失点を重ね、0対5で敗れたが、伊東監督は「津田の我慢強さがチームに広がった。ここまで来られたのは、津田の存在が大きい」と最高の賛辞を贈った。
かくして、津田は3打数1安打11四死球の出塁率8割5分7厘で最後の夏を終えた。
投手3人の継投に際して、捕手も同時に3人入れ替わるというトリプルバッテリーリレーが見られたのが、2014年の大分県大会1回戦、津久見vs国東高双国だ。
川崎憲次郎(ヤクルト‐中日)を擁して1988年夏に8強入りして以来、26年ぶりの甲子園を目指す古豪・津久見は、背番号20の右腕・大野拓海が先発したが、3回2死、エースナンバーの左腕・久保田渉にスイッチ。同時に捕手も背番号13の井上将徳から背番号2の川野海渡に代わった。