
悔しさ、悲しさ、寂しさ、戸惑い、そのすべてがないまぜになった顔をして、20秒ほど遠くを見つめた松尾さん。最後に、静かに口を開いた。
「今の時代って、自分の論を相手に押しつけたり、誰かを敵とみなして排除したりする流れが加速していますよね。だからこそ、自分と違うものも認め、受け入れようとするryuchellさんの言葉は貴重だった。これから、もっともっと必要とされるはずでした」
27歳という短すぎる生涯を通じて、ryuchellさんが残したのは、自分と他者を愛するための言葉だった。きっとそれは、人々の心の中で何度も思い出され、咀嚼され、「こんな世の中」で生き続ける。
(AERA dot.編集部・大谷百合絵)