■バイトをして家族を支えた苦労人

 独自の着眼点があるだけでなく、バラエティー番組に出るにあたっての姿勢もしっかりしているようだ。

「TVerプラス」(2021年7月1日配信)では、自身が地上波に出るにようになり、「テレビの影響力ってすごいんだな」と感じたという山之内。テレビは見る気がなくても目に入るし、最も多くの情報が人に伝わるものだと思うからこそ、「怖い部分もある」と話していた。そうしたところを見ると、おバカタレントのような失言もなさそうだ。こうした堅実な姿勢は育ってきた環境も影響しているのかもしれない。

「実は山之内さんは苦労人。母子家庭で母と兄が精神的な病を抱えており、自身がバイトをして家族を金銭的に支えていたと過去に語っています。スカウトされた当時は生きることに精いっぱいで、スカウトされたうれしさより『芸能界なら学生でも仕事がある』ことに安心したとも。そんな山之内さんなので、メンタルも強く、ある意味、芸能界も仕事として割り切っているのでしょう。ゆえに、感情に左右されない判断もでき、バラエティーでうまく立ち回ることができる。ギャルタレントのようにキャラが固定されていないため、息の長い活躍が期待できます。いま、番組会議で名前を出すとウケが良いタレントであることは間違いありません」(民放バラエティー番組制作スタッフ)

 芸能評論家の三杉武氏は山之内についてこう述べる

「山之内さんは、テレビ進出当初にAbemaTVの恋愛リアリティー番組に出演したことで、ショートカットに関西弁の元気なキャラクターが注目され、若い世代を中心に支持されました。山之内さんはもともとTikTokでそれなりの支持があったので、若者のテレビ離れが深刻な昨今のテレビ業界にとっては、人気YouTuberやインフルエンサーと同様に貴重な戦力と捉えられていると思います。最近では複雑な家庭環境で育ったことも告白していますが、明るく元気なキャラクターとのギャップも魅力の一つで、その活躍は同じような悩みや苦労を抱えている若い人たちの励みにもなっているはず。バラエティー番組での立ち回りを見ていると頭の回転の速く、場の空気を読む力にもたけているので、今後もさらに活躍の場を広げていくのではないでしょうか」

 Z世代という枠組みから抜け出し、芸能界を席巻する存在となるか、注目したい。

(丸山ひろし)

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