村上宗隆
村上宗隆
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 リーグ3連覇を目指すヤクルトの低迷を予測できた識者は少ないだろう。多くの野球評論家が開幕前の順位予想で優勝候補に挙げていたが、シーズン折り返しを迎えた現時点で借金を2ケタ抱えて下位に低迷している。

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 リーグ連覇を守護神として支えたスコット・マクガフが昨オフに退団したことが大きな痛手だったのは間違いない。新守護神に指名された田口麗斗は28試合登板で0勝2敗18セーブ5ホールド、防御率1.63と奮闘しているが、八回を担うセットアッパーの清水昇、九回の田口につなぐ救援陣が不安定だ。ヤクルトは2020、21年も先発で2ケタ勝利をマークした選手が一人もいない。救援陣が命運を握るチームだが、試合の中盤に痛打を浴びて主導権を相手に渡す試合展開が目立つ。

 低迷の要因はそれだけではない。大きな誤算は塩見泰隆、山田哲人、村上宗隆と打線の軸を担う主力選手たちが稼働していないことだろう。リードオフマンの塩見は下半身のコンディション不良で開幕2軍スタートに。5月4日に1軍昇格したが、体調は万全でなく3週間後に再び登録抹消となった。16試合出場のみで、1番打者がなかなか固定できない。前人未到のトリプルスリーを3度達成した山田哲人もふるわない。好調が続かず、56試合出場で打率.234、9本塁打、25打点。得点圏打率.149と好機でブレーキが目立つ。状態を上げてもらわなければ困る選手だが、今月2日の広島戦(神宮)で、走塁の際に右足を痛めて翌3日に登録抹消された。山田に関しては度重なる故障により、近年はパフォーマンスが明らかに落ちている。30歳とまだまだ老け込むのは早いが、野球人生の分岐点を迎えていることは間違いない。

 そして、もっとも気がかりなのが村上だ。昨季は日本選手最多記録の56本塁打を樹立し、22歳で史上最年少の三冠王に輝いたが、春先から深刻な打撃不振に。3、4月は25試合出場で打率.157、2本塁打と絶不調。5月以降は持ち直したが、まだまだ本来の状態には程遠い。現在74試合出場で打率.231、12本塁打、38打点。リーグワーストの98三振は多すぎる。

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外角にバットが出なくなる