毎年様々な“珍事”が起こる甲子園の地方大会※画像はイメージ
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 今年も夏の甲子園大会の地方予選が幕を開けた。地方大会といえば、珍プレー、珍スコア、珍ハプニングなどのB級ニュースも盛りだくさん。今回は過去の大会におけるノーヒットノーランにまつわる珍エピソードを集めてみた。

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 完全試合達成!と思われた直後、まさかのアクシデントで記録がフイになる珍事が起きたのが、2006年7月17日の福島県大会1回戦、聖光学院vs相馬農だ。

 3年連続甲子園出場を狙う聖光は、背番号11の2年生右腕・鈴木健太が先発した。前日に先発を告げられたという鈴木は、雨中の投球にもかかわらず、「1球1球魂を込めて投げる」と、130キロ台中盤の速球、スライダー、カーブを制球良く投げ分け、7回2死までパーフェクトに抑える。

 7回表に味方打線が大量11点を追加し、19対0と大差がついたため、7回コールドの参考記録になるが、完全試合まであと1人となった。

 そして、21人目の打者・渡辺修平も2ストライクと追い込んだあと、「ワンバウンドでもいい」と低めに投じたスライダーで空振り三振。快挙達成でゲームセットと思われた。

 ところが、ワンバウンドしたボールを捕手が後逸し、バックネット方向に転がる間に、渡辺が一塁ベースを駆け抜け、振り逃げが成立。惜しくも完全試合は幻と消えた。

 それでも鈴木は気落ちすることなく、次打者を3球三振に切って取り、11奪三振でノーヒットノーランを達成。斎藤智也監督も「まだ2年生だから、結果(完全試合)が出てしまうよりも、あれで良かった」とさらなる成長に期待した。

 2度目の先発となった3回戦の福島東戦では無念の5回途中KOに泣いた鈴木だったが、翌07年は背番号1のエースとして春夏連続で甲子園出場をはたしている。

 延長15回引き分けの後半7イニングを含めて2日がかりで16イニング連続のノーヒットノーランというビックリ仰天の快挙が達成されたのが、2006年の宮崎県大会準々決勝、日章学園vs宮崎学園だ。

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まさかの“あと1人”で交代も