■治安悪化と物価高騰のダブルパンチ
2020年から2021年にかけて増加していた殺人事件は、2022年に減少したものの、窃盗や強盗などの犯罪は増加。インフレによる経済的困窮が影響していると見られている。現在、街に活気は戻っているが、観光中は注意が必要だ。「犯罪の多いエリアは歩かない」「人通りの少ない道は歩かない(深夜・早朝には特に注意)」「持ち歩く貴重品は最低限に(現金は少額、スマホの管理に気をつける)」の3点は、特に意識してほしい。
物価も上がっている。そもそも、アメリカ屈指の大都市であるニューヨークの物価は高め。そこにインフレや円安が加わって、日本から出かけていくと何でも「高い」と感じるだろう。少しでも出費を抑えたいなら、ブロードウエイのチケットは格安チケットを扱う「チケッツ」で購入したり、食事はチップが必要なレストランではなくフードコートやテイクアウトですませたり、ハドソン・ヤードやハイラインなど無料で楽しめるスポットを組み入れたりすることで、乗り切ってほしい。
■トレンドはルーフトップバー
……とはいえ、久々のニューヨーク。トレンドスポットだって周りたい。5年ほど前からちょっとしたブームなのは、ホテルやビルの屋上を改装したルーフトップバーだ。エンパイア・ステート・ビルを眼前に望むグッドロケーションで、ニューヨークの美しい夜景とオリジナルカクテルを楽しめる、なんていうバーもある。
必ずしも予約をする必要はなく、ウォークインで入れる気軽さもよい。ただし、サンセットや夜景などの混み合う時間は、電話で予約してから行ったほうが確実。服装は自由だが、カジュアルすぎるものは控えよう。たとえばダメージジーンズや短パン、ビーチサンダルなどでの入店は不可とされる場合があるので気をつけたい。
■コロナ禍に誕生したリトルアイランド
マンハッタンのチェルシーに隣接して、ミート・パッキング・ディストリクトと呼ばれるエリアが生まれたのは15年ほど前のこと。アッパー・イースト・サイドから移転してきた「ホイットニー美術館」は、2万2000点以上の近・現代アメリカ美術を所蔵。高架鉄道跡を再開発した空中庭園「ハイライン」も人気スポットとして定着している。