■理想の結婚を目指すための努力
「いいね!」が1000超えなのに、なぜか結婚からは遥かに遠い。そんなアヤさんに興味を抱いた私は、話を聞いてみることにした。ダメもとだったが、意外にもあっさりOK。「いいね!1000超えのアプリクイーンにインタビューしたい」というコンセプトを気に入ってくれたらしい。
渋谷の某ホテルのラウンジに現れたアヤさんは、写真通りのはっきりした目立つ顔立ちに、鎖骨を見せる光沢のある黒ワンピがよく似合っている。背筋をピンと伸ばした姿勢やベルトで強調したウェストの細さに、日頃の女子力磨きの成果がうかがえた。元モデルだけあってメイクもうまく、「東京カレンダー」にワイングラスを持って登場しそうな雰囲気だ。
ひとしきりアヤさんのアプリ道について話を聞く。
最初は警戒していたが、やがて少しずつリラックスし始めたアヤさんの口から出てきたのはあまりにも意外な過去だった。
実はアヤさんは32歳まで既婚の経営者と5年間、不倫関係にあったのだ。
何度も別れたりよりを戻したりを経てこのままでは一生結婚できないと気づき、ついにきっぱりと決別。理想の結婚を目指すために、美容や資格、フィットネスの努力を重ねてアプリに登録した。20代からの貴重な5年間を不毛な不倫関係に費やしてしまったという焦りで、自分磨きの目標の設定がぐっときびしくなったという。
しかし、ここであることに気づいて衝撃を受ける。
「別れた彼は、高級レストランの10万円近いコースでもすっとブラックカードで支払ってくれる人。いつの間にかそういう金銭感覚の相手としか付き合えなくなっていた」
どんなに好きな相手とでも、毛玉のついた服を着て夕食にコンビニ弁当を食べるような生活は絶対ムリだと思った。住所は港区か世田谷、新宿、渋谷、品川区以外は許せない。子供も欲しいし、いい大学にも入れたい。子育て中もエステやフィットネスは欠かせない。だからマッチング相手に高級レストランの支払いを求めるのは、相手の経済力や生活力をチェックするための第1次審査だ。それに応じる人しか第2次審査デートに進めないという。