私自身、新人時代に「あなたは仕事が早いわね。時間を一生懸命に使っているのね」と先輩に言われたことがあります。意味が即座につかめず不思議に感じたのですが、自分の行動を振り返ってみると、何をするときも集中して一生懸命やっていることはたしかでした。先輩がそこを見ていてくれたのだと思い当たったとき、とてもうれしかったものです。
類義語として「熱心ですね」「ねばり強いですね」ということばもあります。シチュエーションに合わせて、ぜひ使いこなしてくださいね。
■感動した気持ちをストレートに
続いて紹介するのは、一般的に音楽や絵画など、芸術的なものに触れて、思わず、感動をそのまま口にしようとするときに使うことが多いちょい足しことばです。
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Aさん:午前中にご指示いただいた作業ですが、すべて終わりました。
Bさん:もう、できあがったんですか!
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Bさん:もう、できあがったんですか! みごとですね!!
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いつもは堅いイメージの銀行員の男性が、実にやわらかいタッチの風景画を描き、思わず「みごとですねぇ! 本当に◯◯さんが描いたの?」などと言ってしまったことがありました。そのくらいストレートな表現と言えるでしょう。
ですので、あまり考えたり意識して言うものではないのですが、最上級の感動をひとことで品よく伝えられるので、自然に口から出てくるぐらいに自分のものにしておくといいでしょう。
また、例文のように、仕事の手際がよく、テキパキとあっという間に片付けるのを見て、「すごいっ! みごとですね!」と感心するときにも口にします。
よくゴルフで「ナイスショット!」と言いますが、それと似ていますね。思わず声を出してしまう「おみごと!」は、飾らないほめことばの代表選手なのです。
最近では、使っている人をあまり見かけませんが、私はお気に入りのことばです。言われるとくすぐったいような、誇らしいような、他にはない心地よさを感じますよ。
(構成/三宅智佳)