巨人も獲得に乗り出す可能性がある。今季は外野のレギュラーが固まらず、左翼は秋広優人、アダム・ウォーカー、梶谷隆幸、オコエ瑠偉などをスタメンで起用している。坂本勇人中田翔ら主力選手に故障が目立つなか、左の和製大砲として筒香は魅力的な強打者だ。補強に成功した場合は強肩の秋広を右翼に回し、丸佳浩を守り慣れた中堅に戻す布陣がイメージできる。

 貧打が深刻なチームが筒香の獲得に乗り出す可能性がある。ファンから待望論が上がっているのが、中日だ。今季の185得点は断トツのリーグワースト。立浪和義監督就任2年目の今年は5位に低迷している。DeNAから現役ドラフトで昨オフに加入した細川成也は打率.319、9本塁打、40打点と新天地で素質を開花させているが、ポイントゲッターとして補強した新外国人のアリスティデス・アキーノ、ソイロ・アルモンテ、オルランド・カリステがふるわずファーム暮らし。主軸とした長年支えてきたダヤン・ビシエドも衰えが隠せず、今季は2度のファーム降格を経験するなど打率.220、2本塁打、6打点と試行錯誤を繰り返している。和製大砲の石川昂弥も打率.220。5本塁打、21打点と確実性が課題で、一本立ちにはまだまだ時間がかかる(6月25日現在)。

 名古屋の民放テレビ関係者は、「少しでもチャンスがあるなら筒香の獲得に動くべきです」と強調する。

 「中日の貧打は今年に限った話ではありません。その責任は現場だけにあるわけではない。助っ人外国人が日本野球で活躍できないケースが多く、補強戦略に疑問が残る。筒香が日本野球に復帰してすぐに活躍できるほど甘くはないと思います。本拠地が広いバンテリンドームなので、横浜スタジアムのように本塁打を量産できないかもしれませんが、計算できない助っ人外国人よりスタメンで起用し続ける価値がある選手です。長年下位に低迷している中日は、背中でチームを引っ張る筒香のようなリーダーが必要です。細川、筒香、石川のクリーンアップを見たい中日ファンは多いと思います。どうしても獲得したいという熱意は伝えてほしいですね」

 メジャーで活躍したいという夢を追い続けるか。そして、日本球界に復帰するならば、どのような決断を下すか。

(今川秀悟)