DeNA時代の筒香
DeNA時代の筒香

 「筒香のウィークポイントは150キロを超える直球をきっちり捉えられないこと。変化球への対応力はあるが、速い直球に差し込まれたり、空振りするので相手バッテリーは徹底的に突いてくる。ただ、この点については日本球界で活躍していた時から指摘されていました。メジャーの投手は球が速いうえに手元でナチュラルに動かす。筒香も米国でプレーして4シーズン目となるので、各球団の編成担当も力量が分かっている。31歳という年齢を考えると、今後チャンスは多くない。今年結果を出せないようだと、来年は日本球界復帰が現実味を帯びてきます」(外国人選手の代理人)

 メジャーでは結果を残せていない筒香だが、日本球界での評価は依然として高い。セ・パ両リーグの打率10傑を見ると外国人野手が一人も入っていない(6月25日現在)。助っ人野手が「冬の時代」を迎えているなか、スラッガーとして日本球界で実績十分の筒香はお買い得の選手といえるだろう。

 「実際に昨オフも、複数球団が筒香の獲得に興味を示していました。メジャーから日本球界に復帰してすぐにアジャストするのは難しいかもしれませんが、シーズントータルで考えれば20~25本塁打は打てるでしょう。筒香の場合は若手の良きお手本になるというプラスアルファがあります。野球に向き合う姿勢がストイックで、球団の垣根を越えて坂本勇人巨人)が一目置き、鈴木誠也(カブス)ら後輩にも慕われていた。補強のプラスアルファは大きいと思います」(スポーツ紙記者)

 日本球界復帰となれば、古巣のDeNAが最有力候補となる。DeNAと筒香の間で結ばれた絆は強く、筒香が背負っていた背番号「25」は現在も空き番号になっている。ただ、戦力として是が非でも欲しい選手かというと微妙だ。今年の交流戦で初優勝を飾り、リーグ戦再開後も阪神に同一カード3連勝で25日に首位を奪取(その後、阪神が再び首位)。左翼には主将の佐野恵太、三塁は宮崎敏郎、一塁はネフタリ・ソトで固まっている。ソトは今年が3年契約の最終年。本塁打王2度獲得の実績がある強打者だが、来日6年目の今季は打撃不振でふるわないため、このまま状態が上がらなければ来季以降は契約延長しない可能性がある。ただ、タイラー・オースティンが来季まで契約を残している。今年は一塁のスタメンで起用されていることから、外野と複数のポジションを守ることが考えられる。外野陣は桑原将志、関根大気ら伸び盛りの選手が多いため、筒香のレギュラーが確約されているわけではない。

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