学生たちが学びと暮らしを共にする学生寮は、時代とともに様変わりを見せている。人気の寮は定員が早めに埋まってしまうこともあるという。「受験偏差値だけに頼らない大学評価」をコンセプトに、編集部の調査・収集データに基づき作成した『大学ランキング2024』(朝日新聞出版)では、学生寮の定員に着目したランキングを掲載している。今回、その一部を紹介する。
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かつては「狭くて、プライバシーがない」というイメージが強かった学生寮。近年は、専用のICカードがないと居住フロアに入れないなどセキュリティー面が強化されたり、庭やテラスなど開放的な共有スペースを備えたりといった学生寮も増えた。留学生など多様な学生との交流の機会と充実した設備を求めて、自宅通学が可能でもあえて学生寮を選ぶ人もいるという。
個性的な設備をもつ学生寮も多い。龍谷大の「Ryukoku Student Home 光輝」にはシアタールームが、早稲田大の「WID早稲田」や東京理科大の「葛飾コミュニティハウス」は大浴場にサウナが設置されている。
慶應義塾大は2023年2月、同校唯一のオンキャンパス国際学生寮となる「H(イータ)ヴィレッジ」を湘南藤沢キャンパスに建設した。構想にあたってのテーマのひとつ「刺激と癒やし」にちなみ、スパイスとハーブの名を冠する居住棟と共用棟が木々や池といった自然のなかに配置されている。さらに共用棟にはスポーツジムや図書室のほか工房まで揃う。今までにはない新しいコンセプトの学生寮だ。
今回紹介する学生寮の定員ランキングは、 2022年9月の値。学部生のほか、大学院生も対象で、家族寮などを含む場合もある。大学が直接運営している学生寮だけでなく、民間委託などで大学が把握している学生寮も含む。また、新型コロナウイルス感染症対策のため入寮者数を調整している大学もあるが、原則、平常時の定員とした。