※写真はイメージです(写真/Getty Images)
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 現在、日本に約4000万人以上いると推計される高血圧患者。20歳以上では「2人に1人」、65歳以上では「3人に2人」が高血圧といわれています。一方で、病院を受診し治療を受けている人は、そのうちの約2割という現状も。それは「高血圧に自覚症状がない」ことが大きな理由と考えられますが、高血圧は放置すると生命に関わる病気につながるため、予防と早期治療が重要です。

【図表】診察室血圧と家庭血圧で基準が違う! 血圧値の分類はこちら

 今、ここでもう一度、「なぜ血圧が高いと良くないのか」「放置するとどんなリスクがあるのか」を理解するため、週刊朝日ムック「手術数でわかるいい病院」編集チームが取材する連載企画「名医に聞く 病気の予防と治し方」からお届けします。「高血圧」全3回の1回目です。

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 そもそも、「血圧が高い」とはどのような状態をいうのでしょうか。血圧とは、血液が血管内を流れるときに、血管の内壁にかかる圧力のこと。心臓が収縮し、心臓内の血液が勢いよく血管に押し出されるときにかかる血圧を収縮期血圧=最高血圧といい、全身から戻った血液をためるために心臓が拡張したときの血圧を拡張期血圧=最低血圧といいます。

 本来、血管には弾力があり、収縮や拡張を繰り返すことで全身に血液を流します。しかし加齢や病気などにより血管の弾力が失われて血管壁が硬くなると、血液を送るために、より強い圧が必要になるため血圧が高くなります。また、血液の量が増えた場合も、血液を流すために強い圧が必要になり、血圧が高くなります。このように、血管が硬くなることや血液量が増えることが血圧を上げる主な原因です。

■男性は20代から、女性は60代から増加するが、70代では男女比はほぼ同じに

 高血圧の患者は年齢が上がるほど増加しますが、増加の傾向には「男女差がある」と、佐賀大学病院副病院長・循環器内科主任教授の野出孝一医師は話します。野出医師は、大学病院で長年にわたり循環器病の診療や研究に携わり、2022年には日本高血圧学会の理事長に就任。同学会が展開する「高血圧の国民を10年間で700万人減少し健康寿命を延ばす」プロジェクトを牽引しています。

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男性は年齢が上がるほど高血圧が増加