鳥羽氏は、戸田市の広報誌で「『おいしい』まちづくり計画」というタイトルの隔週コラムを連載していた。

料理のレシピを紹介してもらうコラムで、これまで8回連載していただいたのですが、それも終了しました」(同)

 戸田市だけではなく、鳥羽氏と契約を結んでいた企業も続々と「解除」の方向に動いた。

 六甲バターは6月16日付けで、鳥羽氏との契約を解除した。同社マーケティング本部の担当者はこう話す。

「弊社は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の『大阪パビリオン』へ協賛しており、そこに出店する料理のメニュー開発を鳥羽さんにお願いする契約をさせていただいていました」

 鳥羽氏は今年4月1日から同社のCFDO(チーフ・フード・デザイン・オフィサー)に就任。大阪・関西万博が終了するまでの契約だった。契約解除の理由についてはこう説明した。

「鳥羽さんが報道内容が事実とお認めになられましたので、そういう(契約解除の)判断をさせていただきました。鳥羽さんのマネジメント会社を通じてやりとりしていますので、(鳥羽氏とは)直接お話はしていませんが、謝罪の言葉はいただいております」

 ヘルスケア事業などを展開する「ユーグレナ」は21年6月より、鳥羽氏をコーポレートシェフとして起用していたが、6月14日付けで契約を解除した。同社広報宣伝部コーポレートコミュニケーション課の担当者はこう話す。

「鳥羽さんにはユーグレナを使った食品の監修や商品開発に関わっていただいていました」

 22年1月には戸田市とユーグレナが包括連携協定を締結した。「当時、『とだPR大使』だった鳥羽氏が橋渡し役になって協定締結となりました」(担当者)という。契約解除の理由については、

「週刊誌の報道やその内容に関してsio株式会社とやりとりする中で、報道されたことが事実であったと認識し、総合的に判断しました」

 鳥羽氏は、家庭人としてだけでなく、料理人としても大きな岐路に立たされている。

(AERA dot.編集部・上田耕司)

著者プロフィールを見る
上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

上田耕司の記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
なかなか始められない”英語”学習。まずは形から入るのもアリ!?