トヨタとヤマハのタッグで産み出されたクルマと言えば、近年ではレクサスブランドで発売されたLFAが思い浮かびますが、やはりスペシャリティカーを生み出すのは、トヨタといえども一筋縄ではいかない。逆にトヨタのような大企業では、小回りが利きにくいということなのかもしれませんね。
さて、そんなスペシャリティカーとなると、気になるのは価格ですが、2000GTは当時238万円というプライスタグがつけられていました。これは、トヨタ クラウンが2台、カローラが6台買えるくらいの価格だったそうで、1967年当時の大卒初任給が2万6000円前後だったといいますから、現在で換算すると2000万円くらいになるでしょうか?ちなみにLFAは3750万円でしたから、いずれにしろ高嶺の花の超高級スーパースポーツカーであることには違いありませんね。
しかし、どちらもほぼ手作りと言ってもいいほど組み立てに手間が掛かるクルマだったため、この価格でも赤字だったと言われています。生産台数的にも、2000GTが前期型(1967年5月から1969年7月生産)と後期型(1969年8月から1970年10月生産)を合わせて337台、LFAが2年間で500台と非常に少ないので、今後も脈々と語り継がれる伝説のクルマになることでしょう。
竹岡 圭(たけおか・けい)/モータージャーナリスト、タレント。日本自動車ジャーナリスト(AJAJ)協会副会長。モータースポーツに長年携わり、レースやラリーにもドライバーとして参戦中