二階氏の後援者がこう打ち明ける。
「二階先生にとっては、同じ派閥の鶴保氏が新1区にまわることで、小選挙区は二階派の独占を狙える。鶴保氏の後釜の参院議員も二階派でまとめるつもりのようで、早くも候補の名前があがっている」
二階氏との闘いに敗れ、衆院転出で鶴保氏に先を越された世耕氏。所属する安倍派では、萩生田光一政調会長、高木毅国対委員長、松野博一官房長官、西村康稔経済産業相と並ぶ「5人衆」として、安倍晋三元首相の後継、新会長候補の一人ではあるが、そっちにも影響は出そうだ。
安倍派のある国会議員は、
「派閥の目標は、会長を自民党総裁に推し、首相の椅子を勝ち取ることです。首相になる大きな条件の一つが衆院議員であることなので、参院の世耕氏が安倍派の会長になることはありえません」
と厳しい見方だ。さらに和歌山県内での状況についても触れ、
「地元和歌山では失態続きで指導力を発揮できず、二階先生の後塵を拝している。それでは最大派閥の会長は務まらないです。つまり、会長レースからは大きく外れたんです。二階派はうちの半分も人数がいないのに、きらりと光る存在感があるじゃないですか」
と語った。
厳しい状況にある世耕氏だが、早期解散がなくなったことで次の衆院選のころには状況が変わっている可能性もある。このままでは終われない世耕氏に4度目の闘いはあるのか。
(AERA dot.編集部 今西憲之)