理不尽な言動で周囲を振り回す“アホ”との付き合い方を伝授した、シリーズ80万部突破のベストセラー待望の最新作『頭に来てもアホとは戦うな! 賢者の反撃編』が発売された。コロナ禍を経てさらにパワーアップした「アホ対処法」を、同書から一部を抜粋して解説する。今回のテーマは「アホに出会ったときの受け流し方」について。
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職場でピリピリして八つ当たりしてくるアホは、徹底的にやり過ごせばいい。
しかし、家庭や親類関係などでいきり立つアホがいたらどうすればいいのだろうか。多少は思うことがあっても、その場では共感してストレスを受け流すというしたたかな戦略をとればいい。
私も昔は八つ当たりのようなことをしたことがあった。しかし、不機嫌を人にぶつけても、筋肉は凝るし血圧にも影響が出るし、病気になりそうでいいことは全くなかった。怒って毒を吐いても、人間としての品性の低下を見せるだけだったのだ。
その後、嫌なことがあっても淡々と受け流すことに決めた。それによって徳を積めるし、人間的な魅力も増すということにも気がついた。
そんな私の経験からお願いしたいのは、逃げ場のない場所でピリピリと八つ当たりを受けたら、真正面から対峙せず、大らかに受け止めてみることだ。
残念なことに、日本は“ピリピリ国家”だ。私は今シンガポールに住んでいるが、日本に帰ってくるたびに街中の人からピリピリとした空気を感じる。それだけ余裕を持てない中で暮らしている方が多いのだろう。
厄介なことにこうした空気は伝染する。ピリピリした人にこちらも同じ態度で返しているとその“ピリピリ”が空間の中で拡大するのだ。同じ空間の中に不機嫌な人がいることの影響力はそれほど大きい。
それでは、ピリピリのまっただ中に自分が置かれたらどうすればいいだろうか。ピリピリの原因なんて、ほとんどが些細なことだ。伝染や拡大を阻止するには、「ピリピリしないで」などと言ってしまうと逆効果。