
だが、ルールを破ると刑事責任を追及され逮捕される可能性があると、知っているだろうか。
鉄道好きで、『鉄道好きのための法律入門』の著書もある小島好己(よしき)弁護士によると、今回のカシオペアの場合、撮り鉄たちは「鉄道営業法」違反の可能性があるという。
「撮影のために無断で線路に立ち入った場合に適用され、千円以上1万円未満の科料に処せられます」
撮り鉄は列車も止めた。列車を止めた場合、「偽計業務妨害罪」や「威力業務妨害罪」に問われる可能性がある。それぞれ、3年以下の懲役または50万円以下の罰金だ。ただ、小島弁護士は、今回はその可能性は低いだろうと見る。
「誤操作を誘引して業務を妨害したとは考えられず、偽計業務妨害罪は成立しづらいと思います。同様に、威力業務妨害罪に必要な『威力を示して』という列車の往来に具体的な危険を発生させる行為があったと必ずしも言い難く、成立しづらいのではと思います」
(編集部・野村昌二)
※AERA 2023年7月10日号より抜粋