夫が家事・育児に積極的に参加してくれることをありがたく思いながら、彼女はうまくいかないことを全部自分のせいだと責めていました。
ある日彼女は、「家庭力」という言葉を見つけてネットサーフィンの手を止めます。片づけも含めて家庭力を上げるという「家庭力アッププロジェクト®」は、まさに自分が求めているものかもしれないと思ったからです。
参加してからは、家の中の大量のモノと1つずつ向き合いました。もともと捨てることが苦手で、これまでは片づけを始めても「いつか必要になるかも」と保管したり、モノにまつわる思い出に浸ってしまったりと、時間だけが過ぎるばかり。
でも、今回は違いました。
「プロジェクトの仲間と一緒に朝の10分間だけ片づけをする朝活のおかげもあって、短時間で“いる・いらない”を判断できるようになったんです。モノが減っていくと、達成感も出てきました」
最初に家の変化に気づいたのは、長男でした。彼女はまず自分のモノだけを片づけていましたが、長男が「ママ、ここ片づけたの?すごい!」とほめてくれて、一緒に片づけをするように。
「今までは子どもにも『片づけなさい』と言っていたけれど、長男も片づけ方を教わってないから、どうしていいかわからなかったんですよね。大量のおもちゃを一緒に選別したり、コミュニケーションを取りながら片づけるようにすると、自分でちゃんと考えて行動してくれるようになりました」
45日間のプロジェクトが終了した今、彼女はすっかり片づけが習慣化できています。床にモノが置いてあれば片づけ、届いたDMは確認して不要だったらすぐに処分。家の中が少しでも散らかっていると、落ち着かないようになりました。
家がきれいになった様子を見て、夫が「なせばなるものだな」とうれしい言葉をかけてくれました。「やればできるでしょ、私!」と、自分に自信を取り戻せた瞬間です。
「以前とは違う自分になった感じですね。気分も前向きになれたような気がします」
彼女の笑顔が増えたことで、家族みんなが明るい雰囲気に変わりました。完璧主義だった性格も、「ここまでやったらOK」という妥協できるポイントが見つかるようになり、気持ちに余裕ができたと言います。