5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。
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case.45 家がきれいになると家族の笑顔も倍増
夫+子ども2人/医療福祉
「大人になるにつれて、『どんなにがんばってみても、できないことはある』っていう思考になってしまいました。子どもの頃はそうじゃなかったのに……」
こう話してくれる彼女は、「やればできる」と信じて幼少期を過ごしてきました。でも、「こうしないとダメ」「こうあらねばならない」という完璧主義な部分が、時として彼女を生きづらくさせます。就職や結婚などライフステージを進めるうちに、うまくいかないこともあるということを実感するようになりました。
彼女のできないことの1つが片づけでした。フルタイムで残業が多い仕事ということもあり、帰ってからは慌ただしく夕飯とお風呂を終えて寝る毎日。とても片づけまで手が回りません。夫は3交代制の勤務で、すれ違いの多い生活です。
夫婦ともに忙しい日々の中で、家はどんどん散らかるようになりました。さらに彼女を悩ませたのは、当時小学1年生と2歳のかわいい盛りの子どもたちとゆっくり過ごす時間を持てないこと。
彼女の父親は仕事一筋の人で、家庭ではあまり笑顔を見せないタイプ。その影響もあってか、彼女は子どもや家族との時間を大切にしたいという気持ちが人一倍強くありましたが、実際には満足にできていませんでした。
「時間がなくてイライラする私の態度が、家族の雰囲気を悪くしていました。子どもに感情的に怒ってしまったり、自分の理想を押し付けてしまったり……。こんな日々がずっと続くのかと落ち込んでいましたね」