その一方で、これから50年たとうが、100年たとうが、プロ野球があるかぎり、変わらないものがある。それは野球を愛してくれるファンの存在である。どんな形だっていい。「勝つことがファンサービス」という厳格な選手がいてもいいし、「グラウンドとは違った姿」を発信することだっていい。選手自ら情報発信するツールも増えている。どう野球と向き合うかと同時に、どうファンの方々と向き合うかは、私が現役時代のときと変わらないはずだ。
私は野球解説者として球場に行く機会も多くあるし、まだまだ野球というものを私なりに伝えていかなきゃいけないと思っている。孫の理汰郎も小学校5年生になり、野球をやっている。もう少しだけ、野球界のために何ができるかを考えていこうと思う。
最後までまとまりのない話になりましたが、この1ページは私にとっても刺激的でした。最後に。みなさま、今後も野球をどうぞ愛してやってください。
東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
※週刊朝日 2023年6月9日号