撮影/横関一浩
撮影/横関一浩

横:学校での偏差値のようなものはないんですよ。

帯:人によって、この人と付き合う時は30歳、この人は80歳っていうようにね、違ってくるわけですよね。

横:自分自身については、相手と理解できる年齢で付き合いができるんですね。

帯:なんか一致してますね、来世のイメージが。

横:お医者さんとこういう話が一致するっていうのは、難しいですよね。なぜかっていうと、お医者さんは、唯物的にものを見られるから。でも先生は違うんですね。そこがすごいなと思って。

帯:向こうに行ったらまたお会いしましょう。向こうでは横尾さんもお酒が飲めますよ。ぜひ一杯やりましょう。

横:そうですね。向こうに行ったら、現世でニガ手だったことが逆転するので、お酒が好きになるかもしれませんよ。先生も生きてる時なぜこんな酒なんか飲んでいたのかなって、思われるかもしれないですよ。甘い物が大好物になって。

帯:うん。そうかもしれない。

横:それも一つの悟りだと思います。僕だって向こうではこんなばかばかしい絵なんか描く気は起こらないですよ。行った世界のほうがそのまま芸術なんですから。

帯:なるほど。

横:だから楽しみなんですよ、死ぬのが。

帯:そうですね、やっぱり向こうで会わないとダメだ(笑)。

(構成/梅村隆之、本誌・鮎川哲也)

週刊朝日  2023年5月26日号

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