帯津良一さん(左)と横尾忠則さん(撮影/横関一浩)
帯津良一さん(左)と横尾忠則さん(撮影/横関一浩)
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 読者から絶大な人気を誇る本誌「週刊朝日」連載の「ナイス・エイジングのすすめ」の帯津良一さんと「シン・老人のナイショ話」の横尾忠則さん。同じ年生まれで、思わぬ共通点があることも判明。医者と芸術家という異なるジャンルの二人の同じ思いとは!?

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横尾さん(以下、横):僕と帯津さんは年齢が同じなんですよね。

帯津さん(以下、帯):ええ、横尾さんは6月でしょ。私は2月の早生まれだから、ちょっとお兄さん。でも私から見ると横尾さんは芸術家で住む世界が違うから、恐れ多くて近寄れなかった。

横:僕のほうはお医者さんが身近なんです。僕はあっちこっちが悪い人で何かあるとすぐ病院に行く。目に埃が入っただけでも病院、爪が割れただけでも病院、とにかく病院に行くのが好きなんです。

帯:私は芸術が全然ダメなんですよ。ほんとに絵心もないしね。

横:そういう人のほうが怖いんですよね。絵のことはよくわかるっていう人は怖くないんですよ。

 今日はまず診察をしてもらおうかな。私はまず耳がねえ、ひどい難聴で、壊滅的にダメなんです。もともと未熟児で生まれたんで虚弱体質なんですよ。

帯:そう見えないですけどね。

横:先生は、同い年だけどお元気ですよね。医者の不養生っていうのはないんですか。

帯:そうですね、酒もね、大好きで毎日飲んでますけれど、二日酔いはしません。私はお酒が生きがいなんですよ。お酒は飲まれないんですか。

横:全く飲まない。飲めないんです。

帯:そうですか。

横:僕は身体的ハンディキャップをなくそうっていう気持ちは全然なくて、悪くなれば悪くなったのが、自然体だと思ってるんです。手も腱鞘炎で線がまっすぐ引けない。ビリビリビリとする。すると絵が勝手にゆがんでしまう。変えようと思わなくても作品が勝手に変わってくれるんですよね。

帯:いいですねえ。

横:だから、変えようと努力する必要がないんですよ。

帯:うんうん。

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