今どき、新種なんかそうそう見つかるもんかと思っていたらさにあらず。毎年なんと1万8000種が報告されている。地球上にはいまだ名前のついていない生物は1千万種もいるという。過去10年で発見された20万種の中から、2人の科学者がヘンテコな容姿のもの、ありえないサイズのものなど、10項目100種を選んで紹介するおもしろ生物図鑑である。
 でっかい耳をぱたぱたさせて泳ぐ、その名もダンボオクトパス。どう見ても泥の塊、しかも大きさが12センチもある単細胞生物。キミたち、本当に生き物か、とツッコミたくなる。
 変な名前の項が面白い。探すのが難しい獲物をなんなく見つけ出すアリは「グーグル」、真空でも死なないタフなクマムシは、あの強い女、マドンナの名がつく。ダジャレで命名する人、学会の憎いケンカ相手の名前の後に「肛門」とくっつけて学名にしちゃう人。学者たちの悪ノリぶりも涙が出るほどオカシイ。
 驚いたり笑ったりするうち、彼らのとんでもない風貌、暮らしぶりは、何としてでも生き抜こうとしてきた進化の結果なのだと気づく。生命のすごいパワーに感嘆。

週刊朝日 2015年2月27日号