天体望遠鏡をカメラの望遠レンズに変換して生まれた、トミーテックの「BORG」。CP+2015では、最高級モデルの「BORG107FL」のコンセプトモデルが登場しています。また、アルミよりも軽くて丈夫、熱伝導率が高いカーボン鏡筒も開発され、BORGユーザーの注目は最高潮に!最新のBORGを展示しているブースで、トミーテックの営業本部オアシス・ダイレクト室長の中川昇さんにお話を伺いました。
●望遠レンズBORGが進化!次世代最高峰のレンズが登場
Q:600㎜の最高級BORGが完成したと聞きました。
中川:コンセプトモデルとして、「BORG107FL」(仮称)を展示しています。焦点距離と明るさは「600㎜F5.6」で、キヤノンオプトロン製のフローライト(蛍石)レンズを搭載。通常、このサイズの望遠レンズであれば、何枚もレンズを搭載する必要があり、重くなります。しかし、「BORG107FL」はレンズを2枚とし、さらに筒の中を空洞にしているため、従来品に比べて軽いのです。
Q:軽いとはいえ、BORGのなかでは大きい「BORG107FL」ですが、使いやすさや価格の点ではいかがでしょう?
中川:レンズは2枚ですが、性能は他社製品に引けを取りません。遠くの対象物をより鮮明に撮影できますので、野鳥の撮影や天体撮影に実力を発揮します。価格や重さはCP+の会場でお客さまの声を聞きながら、改良を重ねていきたいと思っています。このため、現時点で販売は決定していません。
Q:昨年発売されたBORGシリーズも人気を集めているそうですね。
中川:おかげさまで、昨年12月に発売したばかりの「BORG55FL」は好評です。すでに初回生産分は完売しました。焦点距離と明るさは「250mmF4.5」で、くっきりと映るフローライトレンズを搭載しています。また、昨夏に登場した「BORG90FL」も人気がありますね。「500mmF5.6」というスペックで、高性能フローライトレンズを採用しています。価格も、望遠レンズとしては20万円台とリーズナブルです。こちらはフラッグシップモデルとして、本格的な望遠レンズをお探しの方にお使いいただきたいと思います。
Q:BORGの具体的な使い勝手や作品の仕上がりはどうですか?
中川:明るく撮影できるレンズなので、暗い場所やスピードを要求される場所でもきれいに撮影できます。鳥なら羽毛の1本1本までクリアに、天体なら惑星のリアルな表面を捉えることができます。また、望遠レンズセットの重さは「55FL」で約500g、「90FL」で2kgと軽く、持ち運びにも便利といえるでしょう。
●カーボン製新鏡筒の使い勝手が飛躍的に向上!
Q:BORGをより魅力的な望遠レンズにしてくれるパーツも登場したとか。
中川:はい、それがカーボン製の新しい鏡筒です。一般的なアルミ製の鏡筒より半分の軽さで、変形しにくいのが特徴です。また、熱伝導率が高く、触れた時に「ヒヤッ」とする感覚がありません。アルミ製の鏡筒だと、冬の寒い日や温度変化のある所では、鏡筒が膨張してピントがずれることがあります。ですが、カーボン製であれば、そんな心配もありません。
Q:操作性はどうでしょうか?
中川:BORGの鏡筒はもともと天体望遠鏡の流用品で、野鳥撮影用のレンズに天体望遠鏡の鏡筒を組み合わせていました。しかし、新商品の登場でスムーズに操作できるようになっています。たとえば、遠くにいる鳥やその鳥が飛び立つ時にも、迅速に、かつ繊細にピントが合わせられます。この新しい鏡筒で、天体望遠鏡のメーカーから望遠レンズのメーカーになったと、自信を持って言えると感じています。
―ありがとうございました。