新田恵利(にったえり)/ 1968年生まれ。埼玉県出身。在宅介護の体験をつづった『悔いなし介護』(主婦の友社)を2021年9月に出版。23年4月から淑徳大学総合福祉学部社会福祉学科の客員教授に就任。講義は年4回、オープンキャンパスが1回の計5回を予定。初回は6月下旬の予定(撮影・大野洋介)
新田恵利(にったえり)/ 1968年生まれ。埼玉県出身。在宅介護の体験をつづった『悔いなし介護』(主婦の友社)を2021年9月に出版。23年4月から淑徳大学総合福祉学部社会福祉学科の客員教授に就任。講義は年4回、オープンキャンパスが1回の計5回を予定。初回は6月下旬の予定(撮影・大野洋介)

 1980年代の人気アイドルグループ「おニャン子クラブ」の元メンバーで、介護問題について発信している新田恵利さんが、淑徳大学の客員教授となり、教壇に立つ。期間は1年。学生に伝えたいこと、介護を終えてからの活動について聞いた。

【新田恵利の最新ショットをもっと見る】

*  *  *

 新田さんは、2014年から実母の介護を在宅で始め、亡くなる21年3月まで続けたその経験を踏まえた講演や執筆など、介護に関する情報発信に積極的に取り組んできた。教育の場で活動するのは初めてという。

 以下、新田さんとの一問一答。

──客員教授の話はどのような経緯で?

 淑徳大学の結城康博教授と以前、テレビ番組でご一緒させてもらいました。その後もお付き合いさせていただいています。そのなかで今回のお話があり、自分の経験が役に立つならと。

──学校には過去にも行かれたことがあるようですが、学生の印象は?

 みんなフレッシュで刺激的。親御さんが50代前半くらいだと、きっと「おニャン子」どんぴしゃ世代ですよね。そのお子さんに向かっての授業です。楽しみですが緊張が大きいです。

──学生にはどんなことを伝えようと思いますか。

 実際に介護を通して得たことを、体験者の声としてお話ししたいと思っています。若いから介護はまだまだ先、なんて思っているかもしれませんが、誰にでもいつか必ず介護はやってきます。介護をもっと自分ごととして捉えてもらいたいと思っています。介護の対象になるのは、親だけとも限りません。子どもや自分だってあり得るわけです。生きている限り、介護は切り離せないものです。「介護は日々の生活と隣り合わせ」ということを伝えたいです。

 社会福祉学科の学生のうち、約7割が卒業後の進路に福祉関連の仕事を選び、約3割が一般職と聞いています。たとえ介護の現場で働くことを選ばないにせよ、介護のことを学ぶというのは素晴らしいと思います。高齢者の視点になって考える力がつけば、超高齢社会で働く社会人として強みにつながると思います。

次のページ