日本は再エネ発電量が増えて電力卸売価格が激安になる時でも再エネ電力を捨て、高い原発や火力発電を動かしたまま消費者から高い料金を取り、しかもカルテルまでやって料金を高くしている。
こんな状況であれば、仮に他国、例えば韓国と電力網がつながっても、日本の大手電力会社は、常に自社の原発や、LNGや石炭の火力発電を優先するので、電力網は宝の持ち腐れとなるだけだろう。他国との電力網は、今の日本の不公正な市場の状況ではあまり関係ないのだ。
フランスの原発依存度は70%と高いが、原発の多くは老朽化で稼働できなくなるものが多く、この比率はどんどん下がる見通しである。フランスの例を見れば原発は老朽化すると危ないことがわかる。日本は地震大国なので、特にリスクが大きいが、仮に事故が起きなくても、故障などで原発が止まれば、巨大な供給力が落ち、この冬のフランスのような電力危機を招くだろう。
日本では、老朽化しても危ないとは言えないと原子力規制委員長が強弁し、60年を超えても動かせる法律を国会で審議中だが、これがいかに非常識かがわかるのではないか。電力フェイクに騙されてはいけない。
※週刊朝日 2023年5月26日号