今季で言えば、サディオ・マネが「失敗」だった。2016年夏に加わったリヴァプールで、モハメド・サラー、ロベルト・フィルミーノと超強力トリオを形成し、2018-19シーズンの欧州CL制覇に大きく貢献した。その後も安定した働きを続けた中、2022年夏に移籍金4000万ユーロ(約50億円)でバイエルンに加入した。だが、新たな環境に馴染めず、エースとして期待されながらもリーグ戦出場25試合で7得点と不満が大いに残る働き。さらに試合後にチームメイトのレロイ・サネと激しい口論の末に殴打事件を起こし、30万ユーロ (約4700万円)罰金を課せられた。30歳という年齢から移籍金はそれほど高くはなかったが、年俸が2000万ユーロ(約31億円)と高額。契約期間は2025年夏まであるが、今夏退団の可能性が報道されている。
すでに今夏、多くの選手の移籍が決まっており、ベリンガム以外にも驚くような移籍金での契約が成立する可能性がある。その移籍金の高さは、選手の評価、注目を集める対象になるが、それが“適正価格”であるかどうかの判断は非常に難しい。そして、新天地で満足な働きをできなければ批判の材料となり、選手の足枷にもなる。果たして、今夏の移籍が「成功」なのか、それとも「失敗」となのか。5年以内には、間違いなく判明する。(文・三和直樹)