ジャニー喜多川氏(2019年に死去)による性加害を告発する声が相次いでいる。ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長は14日、同社公式ホームページ内の動画と書面で、被害を訴える人たちに対し「心よりおわび申し上げます」と謝罪した。だが、加害があったかの事実認定はせず、第三者委員会の設置はしないなどと述べた。これに対しSNSでは「不十分な対応」などと批判の声もあがったが、ファンたちは複雑な気持ちを抱いているようだ。
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「正直に言うと、自分の推しが被害を受けたかどうかは知りたくない。でも、事務所にはしっかりと対応してほしい」
こう悩ましい心を打ち明けるのは、10年以上にわたって「ジャニオタ(ジャニーズ・オタク)をしている」と言う20代の女性だ。中学生のときにアイドルグループ「嵐」のファンとなり、半年ほど前からは関西ジャニーズJr.の「Aぇ! group(ええ グループ)」のファンクラブに入り、今月行われたライブにも行ったという。
彼女が心配しているのは、所属するタレントたちへの影響だ。
ネット上でジャニーズに関連する企業の不買運動について書き込まれたり、所属タレントがYouTubeで定期的に配信している動画のコメント欄に「この子たちも喜多川と寝たのか?」とふざけてからかうようなコメントがつけられたりするのを、目の当たりにした。
女性は、こう嘆く。
「事務所に対しての批判は理解できます。でも、不買運動をすれば、事務所とともに、現在所属するタレントたちにも影響が出る。それはやり方としていいとは思えないです。あと、コメント欄でからかうようなコメントがついていますが、もしも被害を受けていたら、本人たちの心の傷は深いはず。ふざけていじっていいものではない。私たち(ファン)の間では『変なコメントがあったら通報しよう』と言っています」
同じく、不買運動などの方向に進んでしまうことを気にかけているのは、都内に住む別の20代の女性だ。「King & Prince」のファンで、“推し”はメンバーの平野紫耀さん。ファン歴は4年で、頻繁にライブにも参戦。普段は大手保険会社に勤務しながら、ライブとなれば北海道や仙台、博多まで行った。1枚10万円の転売チケットを購入したこともあったと話す。