結婚を発表し、まもなく中国へ拠点を移す小島瑠璃子
結婚を発表し、まもなく中国へ拠点を移す小島瑠璃子
この記事の写真をすべて見る

 一般的に、芸能人の結婚発表というのは、何はともあれ祝福すべきことだと思われるものだ。たとえ好感度や知名度がそれほど高くないタレントであっても、結婚したという事実そのものはおめでたいことであると受け止められることの方が多い。当然と言えば当然である。

【写真】三度の不倫報道でも芸能界を「干されなかった」有名女優はこの人

 しかし、5月15日に公開された『文春オンライン』の記事で小島瑠璃子が結婚していたことが明かされたとき、ネット世論の反応はそれほどかんばしいものではなかった。素直に祝福する声は少なく、どちらかと言うと否定的な意見の方が目立っていた。

 小島は過去に不倫疑惑が報じられたこともあり、その悪いイメージが定着しているため、素直におめでとうと言う気持ちにならないという人もいたのだろう。また、今回の件に関しても、結婚相手の男性が最近離婚したばかりだったということもあり、既婚中から交際をしていた不倫略奪婚なのではないか、と疑いの目を向ける者もいた。

 小島瑠璃子は、一時は猛烈な勢いでテレビに出まくっていたバラエティクイーンだった。いわゆる芸人がたくさん出るようなお笑い要素の強いバラエティ番組だけではなく、スポーツ番組、情報番組、報道番組にも顔を出していた。圧倒的な頭の回転の速さとコミュニケーション能力の高さを生かして、選挙特番では大立ち回りを演じて「こじるり無双」と呼ばれた。

 そんな硬軟どちらにも対応できる万能型バラエティタレントだった小島だが、スキャンダルが報じられると一気にイメージが下がってしまった。その後、彼女は活動の拠点を中国に移すと宣言して、着々とその準備を進めてきた。

 コロナ禍でその予定がいったん休止になってしまってからも、大陸進出の夢は消えることはなかった。彼女は日本での仕事をすでに整理していて、中国への留学を予定しているという。

 そんな今だからこそ改めて考えてみたい。「こじるり」とは何だったのか。一言で言えば、彼女は「オール5の優等生タレント」だった。優等生は周囲に求められているものをいち早く把握して、即座に100点満点の答えを返すことができる。

著者プロフィールを見る
ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

ラリー遠田の記事一覧はこちら
次のページ
バラエティ番組以外、報道番組、教育番組にも