新年の箱根路を彩る「箱根駅伝」。今年で91回目を迎える箱根駅伝を制するのはどの大学か、どんな"怪物"選手が活躍するか、楽しみにしているファンは多いのではないでしょうか。
本書『箱根駅伝 襷をつなぐドラマ』は、今回の箱根駅伝をどのような視点から観ればより楽しめるかを紹介しています。著者は、元箱根駅伝ランナーで東農大出身の酒井政人さん。現在スポーツライターとして活動している酒井さんは、今大会の優勝予想について「駒澤大、東洋大、早稲田大、明治大、青山学院大、山梨学院大の"6強"の争いになると見ていいだろう」(本書より)と語ります。
その上で、注目校の「花の2区」について、酒井さんは本書の中で村山謙太選手(駒澤大)、服部勇馬選手(東洋大)、高田康暉選手(早稲田大)、大六野秀畝選手(明治大学)、神野大地選手(青山学院大)、エノック・オムワンバ選手(山梨学院大)らの名前を挙げます(※12月31日時点で、青山学院大は一色恭志選手をエントリー)。その中でも注目は村山選手だと酒井さんは断言。
「今季の走りでは、村山のスピードが飛び抜けている。大八木弘明監督(駒澤大学監督)は、1区に有力選手を出し惜しむことはしないので、駒澤大が序盤でトップを奪う可能性が高い。村山が突き抜けることができれば、駒澤大のペースになるが果たしてどうなるか・・・」(本書より)
往路の最終ランナーが走る5区は、小田原から箱根のゴールに向かう、いわゆる「山登り」コース。第82回大会(2006年)の際に、5区の走行距離が見直され、20.9kmから23.4kmに延長されたことにより、それまで最も長かった2区(23.1km)よりも走行距離が長くなったのはご存知の通り。酒井さんも、「新世紀の箱根駅伝で一番重要なのは5区になった。その理由は単純で、勝敗の行方に最も影響を及ぼす区間だからだ」と語ります。
酒井さん自身、「勝負のカギになる」(本書より)と予想する箱根駅伝の第5区間。続けてこう解説します。
「駒澤大(馬場翔大)、早稲田大(山本修平)、山梨学院大(井上大仁)の3校は有力選手が控えているが、その爆発力は過去の走りと今季の状態から考えると同レベルだ。他の3校は不透明な部分が大きく、どれくらいのクライマーを準備することができるのか。いずれにしても、5区をトップでゴールした大学が断線有利だ」(本書より)
もちろん2区、5区だけでなくすべてのランナーの走りで順位が決まるのが箱根駅伝。さて、今年はどんな大会になるのでしょうか。