同会の世話人に名を連ねる日本体育大教授の清水雅彦さんは、毎日新聞の取材に「平和運動の大先輩でもありショックだ。左や右といった政治的立場を超える、平和に強い関心を持った『良心的な作家』だった」と語っている。
<最後に席を共にしたのは、日比谷野外音楽堂(東京都)で14年にあった集団的自衛権の行使容認に反対する市民集会。以来、直接会うことはなかったが「全国の各地域で7000の『九条の会』が立ち上がったのは、核兵器が使われた後の時代の平和を考え、憲法の堅持を訴えた大江さんたちの貢献があったから。これからの平和運動は私たちでもり立てていきたい」と話した>(毎日新聞3月13日)
さらに同記事内では、反原発の市民運動を共にしてきた作家の落合恵子さんの声を次のように紹介している。「現政権で軍拡や原発推進が行われようとしている中、どれほど大きな存在だったか。無念でならない」
私は、大江さんとは比べようもないほど非才で、いい加減な人間だが、私にも続けるべきことがある。それは、生命を懸けて言論・表現の自由を守り、この国を絶対に戦争をしない国として持続させることだ。その決意を新たにしたのである。
田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数
※週刊朝日 2023年3月31日号