ココナラの「キャラクターモデリング」カテゴリーにはVTuber向けのサービスが多数出品されている
ココナラの「キャラクターモデリング」カテゴリーにはVTuber向けのサービスが多数出品されている

「専門性が高い領域ですが、VTuberが使う2Dや3Dのキャラクターモデリングは人気ジャンルです。個人の購入もあるし、企業がキャンペーンなどで利用することもあるようです。あとは依然として、YouTuberの動画制作に関連する出品も人気ですね」

 では、いざ自分も何かスキルを出品してみようかと考えるとき、何から始めたらいいのか。

 鍵となるのはサービスの「マイクロ化」だそう。自分のいちばん得意なところ、好きなところだけを切り出して出品する。購入者側にとってみれば、ここだけ手が欲しい、と自社に足りていない機能のところだけをピンポイントで購入できる。

「私のような広報の仕事なら『プレスリリースの添削だけ』とか、設計事務所の建築士さんが『間取り提案』を出品している例もあります」(柳澤さん)

10回以上注文の顧客も

 福岡県在住の長山隆さん(70)も、本業で培ったスキルをマイクロ化してココナラに出品している一人だ。

 筆文字デザイナーとして、飲食店のメニューやイラスト作成のサービスを4年半ほど前からココナラに出品している長山さん。飲食店でのエリアマネジャーや店舗設計の仕事に携わった後、45歳で独立して以来、長く飲食コンサルタントとして働いてきた。

 かつては週に1千キロも車を運転して、九州一円から中国地方まで現場を回ることもざらだったが、年齢が上がるにつれてそうした仕事の仕方が体力的にきつくなってきたという。

 そんな時にネットでココナラの広告を目にし、メニューに使える水彩イラストと手書き文字を出品しようと考えた。普段から趣味で絵を描いている長山さん。これまでもコンサルティング業務の一環でメニューブックの制作は手がけていた。自分で営業に出かけなくてもデザインが販売できるココナラのプラットフォームは、「こういうものがあればいいのに」と思い描いていたものだった。

 筆文字で書くA4のメニュー1ページの基本料金が7千円。ページを増やしたりイラストを追加したりするのに追加料金が発生する。総じて3万円から5万円の注文が多く、月に10件ほど依頼が入る。3割はリピーターのお客さんだ。なかには10回以上注文してくれているお得意さんもいるという。

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頻繁なメニュー変更を可能にして「飲食店を応援したい」