古賀茂明氏
古賀茂明氏
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「もう手遅れだよね」

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 最近私が会った様々な専門家との会話で最後に必ず達する結論だ。

 日本経済が深刻な危機にあることは誰もが一致する。これまで数えきれないくらいの成長戦略や改革案が提示され、メニューは山ほどあるが、ほぼ手つかずのままである。

 それを今一気にやるのは痛みが大き過ぎて不可能。痛みを和らげながらと思うと時間がかかり過ぎて間に合わない。財務省トップだったある官僚OBは、「古賀さん、日本は3年以内に破綻しますよ。絶対に」と力を込めて言った。

 財政も深刻だが、最大の問題は少子化だ。子供を産む世代の女性の数が激減しているので、少子化対策が極めてうまく行っても子供の数が増え始めるのは何十年も先。このままでは、生産も需要も先細り、高齢者だけがどんどん増える。

 もはや、自力ではどうにもならない。そこで考えるのが移民である。現在の技能実習制度、特定技能制度などではなく、永住前提で働いてくれる人を呼び入れるのだ。彼らは働くだけでなく、税金も払い消費もする。子供も産み育てる。日本の縮小スパイラルに歯止めをかけることができるかもしれない。

 日本人は外国人を受け入れられないという人もいるが、高齢者施設では、既に多くの外国人が介護人材として活躍し、入居者の評判も概して良い。

 私が、移民が必要だと確信したのは、先月明るみに出た東京都八王子市の滝山病院での虐待事件を見た時だ。高齢者が増えると普通の介護需要が増えるだけではない。重度の認知症患者が増え、徘徊、奇行をはじめ、一般家庭で介護するのが難しい症状の人が増える。さらに滝山病院の患者のように人工透析や特殊な医療サービスが必要という人も増える。

 滝山病院での虐待は言語道断だが、こうした難度の高い要介護患者を受け入れる病院を閉鎖したらどうなるのか。しかもこれは氷山の一角という声もある。親しい精神科の友人によれば、民間の精神科病院では、程度の差はあれ、虐待というべき事態は日常茶飯事になっているそうだ。

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人材不足は百万人超に